老後の資金づくりに有効といわれる、つみたて投資。メリットとしてドル・コスト平均法の説明をよく耳にしますが、具体的にイメージしにくいという方も多いのではないでしょうか。ここでは実際のデータを使って、つみたて投資の特徴をみていきます。
図1のように、値動きのある商品で比較してみましょう。
4万円一括買付の場合、一番安い2月に買っていれば取得単価5,000円で8口買い付けでき、一番高い3月の場合は取得単価 20,000円で2口の買い付けとなります。安く買えたのか、高く買ってしまったのかは、まさに時の運ですね。
一方、毎月1万円つみたて投資した場合は、2月のように価格が低い時に多くの口数を買い付け、3月のように高い時には少ない口数を買い付けることになります。4ヵ月続けると取得単価は8,889円(40,000円÷4.5口)、買付口数は4.5口となります。つみたて投資は、買付タイミングを分散させることで取得単価を平準化することができるので、一度で買うよりも高く買うことをある程度避けることができるのです。
図1: 価格推移と買付口数の関係
4月のつみたて投資直後の評価額も見てみましょう。買い方や買うタイミングによって評価額が大きく異なることがわかります。
日経平均株価に連動する商品を例に、1997年から10年、15年、20年とつみたて投資をした場合に、どうなったかを見てみます。
図2:日経平均株価の推移
毎月1万円で積み立てた場合、それぞれの達成額(その時点の時価)の結果は次のようになりました。
途中、ITバブル崩壊やリーマンショックなどにより株価が大きく下がった時期もありますが、10年間継続すると32%のプラス、20年間継続すると51%のプラスでした。一方、リーマンショック後上昇局面に転じる前の15年目時点では31%のマイナスとなりました。(損益率は四捨五入しています。※年率ではありません。また、将来の運用成果や投資収益を保証するものではありません。)
図3からもわかるように、どんな時でも達成額が積立総額を上回るわけではありません。
一方で、長期間継続することで買付タイミングを分散させ、取得単価を平準化することができます。
つみたて終了時期が近づいてきたら売り時を意識し、売却タイミングを調整することでリターンのコントロールができることもあります。
つみたて投資は老後の資金準備に有効な手段のひとつなのです。
図3:積立総額と達成額の推移
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